
首位打者を快走しながらも考えることは一つ、チームの勝利に貢献することだ
華々しいブレークイヤーをタイトル奪取で締めくくれるか。
宮崎敏郎がセの首位打者を争っている。8月10日終了時点で打率はリーグトップの.341。2位は昨季の首位打者の
巨人・
坂本勇人で.329だ。ただ、自身は「全然気にしていない」とチームの勝利を最優先している。
開幕直後の4月19日に左ワキ腹の違和感で登録を抹消されたが、5月3日に再登録されると、その打撃センスを開花させた。「広角に打ち分けられることが自分のバロメーター」と話すとおり、内角球は引っ張って左翼へ、外角球は逆らわずに右翼へ。長打も単打もおもしろいように積み重ねた。交流戦期間中の6月11日の
西武戦(メットライフ)で規定打席に到達するといきなりリーグ2位に躍り出た。13日の
ロッテ戦(横浜)でついにリーグトップに立った。
「五番・三塁」で固定して起用し続けている
ラミレス監督は「バットコントロールはチームで一番どころかリーグで一番かもしれない」と高く評価し、7月21日の巨人戦(横浜)の前についに「君はレギュラーだ」と認定した。
昨季101試合に出場。335席に立ち、打率.291だった。レギュラーとして出続ける今季はこれからが勝負。相手の攻めも厳しくなる上に、未知の疲労も襲ってくるかもしれない。首位打者となれば球団では2013年の
T.ブランコ以来。日本人では08年の
内川聖一(現
ソフトバンク)までさかのぼる。
だが、宮崎にとってはタイトルは二の次なのだろう。ぶれない姿勢でチームに貢献し続ければ、それだけ首位打者も近づく。
写真=井田新輔