
途中加入ながら本塁打を2ケタに乗せたペーニャ
ウィリー・モー・ペーニャがようやく、本来の打力を発揮しつつある。
長打力不足を解消するため、6月にチームに加入。8月2日の
日本ハム戦(ZOZOマリン)で
ロッテでの初アーチを含む1試合2発を放つと、8月は7本と本塁打の量産態勢に入った。「本塁打より打点。それがチームのためになる」と話すものの、一発のある打者が四番に座っていることが打線の厚みになっている。
日本で4球団目となる35歳。来日当初は長打が出ずに苦しみ、ボール球にも手を出してしまう悪循環に陥っていた。しかし、「今はしっかり自分の打つべきボールを待てているし、我慢ができている。我慢ができているときは自分の状態がいいときだ」と説明するように、確実な手応えをつかんでいる。ベンチではベテランの
福浦和也と議論を交わし、次打席に向けて考えを巡らせることもある。多くの経験に基づき、長距離砲としての輝きを取り戻してきた。
契約は今季限りとあって、現段階で来季については不透明な状況だ。ペーニャは「来年のことは自分で決められることではない。自分ができることを100パーセントやる。チームが勝つために尽くすだけ」と言いながらも、「プレーしたいかしたくないかで言えば、したい。1年間フルで最初から戦いたい気持ちはあります」と本音も口にする。開幕当初から四番に座り、シーズンを戦っていれば……。そんな希望を抱かせるだけの存在感はしっかりと示している。
写真=BBM