
ここ数年は身体能力だけに頼ったプレーから脱却、攻守走にわたり頼りになる存在だ
いわずもがな、“青い韋駄天”
梶谷隆幸の走塁はずば抜けている。今季はここまで21盗塁。2014年から続くシーズン20盗塁をクリアしている。(以下、数字はすべて9月28日現在)
「打率は減るけど、本塁打や盗塁は減らない。増える数字を追っていきたい」と臨んだ今季。開幕は
ラミレス監督の攻撃的な打線の看板として「二番・右翼」で出場した。だが三振の多さから、七番に下がると八番が投手のために犠打の場面が多く、盗塁企図数が減った。二番では57試合で11盗塁。七番では50試合で4盗塁だ。
体重が開幕時の92キロから約10キロも落ち、打撃もやや不振気味。それでも29歳の誕生日だった8月28日以降は飲酒を試合がない日の前日だけに控えるなど状態を上げる努力は怠らなかった。五番で出場した9月18日の
ヤクルト戦(横浜)では快足ぶりをあらためて見せつけた。投手はブキャナン。先頭打者だった2回に四球で出塁すると、六番嶺井の初球で楽々と二盗を成功させた。
今季は87.5%と高い盗塁成功率が目を引く。昨季は78.8%、15年は68.3%だった。今季は盗塁王を獲得した14年の83%をも上回る確実性を見せている。「増える数字」の本塁打は自己最多の20本で「20本塁打、20盗塁」を達成している。
打順に関係なく「グリーンライト」を出し続けているラミレス監督は「本来なら30本塁打、30盗塁を達成できる能力の持ち主。でも“20-20”も十分に素晴らしいね」とさらなる飛躍に期待を寄せている。
写真=井田新輔