
体づくりを見直している中日・柳
何度思っただろうか。「俺は何をやっているんだろう」と。
柳裕也のルーキーイヤーは、ふがいなさで塗りつぶされた。オープン戦で右ヒジに炎症が出て開幕に出遅れ。7月には広背筋の肉離れで戦線離脱した。決して短くなかったリハビリの日々。「経験があったからこそ、と思えるように」と言い聞かせるしかなかった。
低迷からの脱出を図る竜にとって、願ってもない人材となるはずだった。ドラフトで
DeNAと競合しながら1位で指名。当たりクジを引いた
森繁和監督は「大事な先発ローテに入ってくれると期待している」と言葉を惜しまなかった。柳自身も「一軍にいないと意味がない」と強調。新人とはいえ、担う重責は分かっていた。
6月18日の
西武戦(ナゴヤドーム)で初勝利。3試合連続でクオリティースタート(先発して6回以上を投げて自責点3以下)を達成し、当時の
友利結投手コーチも「試合を作ってくれる。大崩れしない」と目を細めていた。一方で100球を超えたあたりの終盤で息切れする課題も。プロの世界でもう一皮むける必要性を痛感した。
終わってみれば、11試合で1勝4敗、防御率4.47。満足にはほど遠い。技術面はさることながら、シーズン通して戦える体づくりの大切さを学んだ。
10月から地元の宮崎で開催されている秋季教育リーグ「みやざきフェ
ニックス・リーグ」から土台を構築。
「来年は『やるな』って思わせたい」。成績も信頼も急上昇させる。
写真=BBM