
飛躍を遂げた薮田は開幕投手をモノにできるか
まさに飛躍の1年。経験を重ねた
薮田和樹は、2018年の開幕投手に浮上したと言っても過言ではない。
17年は開幕中継ぎスタートも、交流戦初戦の、5月30日の
西武戦(メットライフ)で今季初先発。その後は連勝を重ねて勢いに乗った。終わってみればチーム最多の15勝(3敗)をマーク。規定投球回数にこそ届かなかったが、勝率.833で、セ・リーグの最高勝率のタイトルを獲得。CSファイナルステージ(10月18日、
DeNA戦、マツダ
広島)でも開幕を任されて勝利するなど、まさにフル回転でチームを支えた。
11月には主に24歳以下、入団3年目以内の選手で構成されるアジアチャンピオンシップにも招集され、開幕投手を任された。岡山理大付高、亜大時代は無名だった薮田にとって、ジャンプアップとも言えるシーズンを過ごした。
薮田自身は「実力以上のものが出たシーズンだった。野手の方にもたくさん助けてもらいましたし、自分の力ではない部分も多くあった」と謙虚に振り返る。とはいえ最速150キロを超える直球とカットボール、ツーシームを交えて圧倒する投球スタイルは、来季の開幕を任せるに十分値するだろう。
対抗となるのは16年、17年と開幕投手を務めたジョンソンと、17年に6連戦の頭で投げ続けた
野村祐輔だ。どちらもかつてのタイトルホルダーで、実力は十分。謙虚な薮田が開幕投手への思いを公言することは現時点ではないが、それでも権利は十分ある。争いは激しくなりそうだ。
写真=BBM