
層の厚い一軍の先発ローテーションに割って入りたい飯塚
一歩ずつ成長の階段を上る右腕に来季はさらなる期待が懸かる。
飯塚悟史は今季一軍初登板と初勝利を達成。8度の先発を含む9試合に登板し、1勝3敗、防御率4.29だった。
契約更改では330万円増の年俸850万円(推定)でサイン。20年ぶりのリーグ優勝には今季埋め切れなかった先発6番手の躍進が必要不可欠。飯塚は「今季、まずは1勝できたことは良かった。でも、任された先発の仕事ができない試合もあった」と表情を引き締めた。
プロデビューは6月19日。交流戦の
オリックス戦(横浜)で5回2安打無失点と好投した。同じ新潟出身で球界を代表する
金子千尋と堂々と投げ合い、勝利投手の権利を持って降板。だが、救援が打たれて初勝利は逃した。それでも「自分のゾーンに入れたし、楽しく投げられた」と話した。
初勝利は6度目の先発となった8月30日。敵地ナゴヤドームでの
中日戦で6回途中1失点と好投した。試合後にウイニングボールを手にし「どうやったら勝てるのかと思っていた」と自虐的に笑った。
若い好投手がひしめく先発ローテに入るにはレベルアップが必要だ。ドラフト1位で左腕の
東克樹が入団し、同じ右腕の
京山将弥や
綾部翔もライバルになる。
このオフは「シーズン通して投げるための体づくり」をテーマに掲げ横須賀市の二軍施設で練習する予定だ。「一軍は重圧も大きいし、ファームとは違う疲労を感じる。1試合を投げ切る大変さを感じた」と経験を糧に競争を勝ち抜くつもりだ。
写真=高塩 隆