
岡田は悔しさだけが残った2017年からの巻き返しを誓う
この悔しさを忘れることはない。
岡田幸文にとってのプロ9年目は屈辱的なものだった。2017年11月には野球協約の減額制限(1億円以下は25パーセント)ギリギリのダウン提示で契約を更改し、「振り返る数字もない。自分の力のなさですね」と悔しさをにじませた。
3月31日の
ソフトバンクとの開幕戦(ヤフオクドーム)でスタメン出場も無安打。ここからトンネルは長かった。徐々に出番は減り、代打となった。焦り、ゴロを打ってはアウトになる打席を繰り返した。7月10日に出場選手登録を外れると、その後一軍の舞台に戻ってくることはなかった。31試合に出場して40打席無安打。野手のシーズン最長無安打という不名誉な記録をつくってしまった。
シーズン中に取得した国内FA権も「この成績で出るのは納得がいかない部分がある」と行使せずに残留を決断。育成選手からはい上がってきた愛着のある球団で、再起を図ることを決めた。
節目のプロ10年目。「大暴れしますよ、もちろん」と語気を強めるように、懸ける思いは誰よりも強い。外野守備と走塁技術はまだまだ超一流。打撃を向上させれば、レギュラーの座も近づいてくる。
秋季キャンプから
金森栄治新打撃コーチのもとで、ボールを引きつけてコンパクトに振り抜く打法の習得に必死だ。そしてプライドを持つ守備での大きな目標がある。「もう一度、ゴールデン・グラブ賞を獲りたい。自信はあります」。2018年、岡田にとって新たな1年が始まった。
写真=BBM