
打撃向上を期してバットを振り込む若月。「昨年以上に貢献するだけ」と具体的な数字は掲げず、ひたすらに汗を流している
不動の正捕手へ――。定位置を確実なものにするため、
若月健矢がキャンプでレベルアップを図るのは打力だ。
プロ4年目の昨季は100試合に出場し、捕手を任されたが、打率.202、1本塁打、18打点。打撃で大きく課題を残した。
福良淳一監督が「捕手は守備力。打撃はチーム打撃を確実にできれば良い」と話すように、守備重視のポジションであるが「キャンプでは打撃に力を入れます。打たないと出られないので」と攻守での貢献と正捕手奪取を誓った。
追い求めるのは、相手投手に警戒させる打撃だ。「もちろん、チーム打撃やバントなど、僕の率だとミスは許されない」と基礎の徹底も重視する一方「僕みたいな打者が長打、本塁打を打てるとなったら相手は怖いと思う。そういう油断できないような力をつけたい」。意外性とパンチ力ある打者へ。オフに肉体改造は行わず、フォーム固めを重視。シンプルなフォームで打つことを心がける。
それでも、打力向上の道は簡単ではない。キャンプ初日から指揮官に熱血指導を受け、「治すところがたくさんある」と厳しい言葉も。それでも、「僕のことを思って指導してくださっているので」と、激励を力に変えて前に進む。
今季は2014年にゴールデン・グラブを受賞した
伊藤光が捕手一本で勝負。若月に昨季同様マスクを任される保証はない。
だからこそ、緊張感を抱いて成長を図っている。
今季の目標は、具体的な数字を明言せず、「昨年以上に貢献するだけです」と一言に気合を込めた。
写真=佐藤真一