
フルスイングから力強い打球が放たれる
一瞬の輝きではなさそうだ。力強いスイングから球を弾き、飛距離は主砲の
筒香嘉智にも引けをとらない。プロ2年目の19歳。宜野湾キャンプで注目を集める1人が
細川成也だ。
「一軍で1年間、活躍したい。たくさん試合に出たいので、しっかりバットを振り込みたい」
記憶に新しいのが昨年10月3日の
中日戦(横浜)。初回、二死一、三塁でバックスクリーン直撃の3ランを放った。プロ初スイングで驚愕の一発。高卒ルーキーによる初打席本塁打は球団史上初だった。CS、日本シリーズとポストシーズンでも安打をマーク。
ラミレス監督が「軽く30~40本塁打は打てる。
アレックス・カブレラのようだ」とほれ込み、迷わず一軍メンバーに組み入れた。
DeNAの外野はここ数年、左翼から筒香、
桑原将志、
梶谷隆幸で盤石だった。控え選手にとって高く、分厚かった3枚の壁。ところが、ラミレス監督は「不動のレギュラーでやっていくのは厳しいところがあった」と右翼のポジションに風を送り込んだ。
昨季の梶谷は両リーグ最多となる157三振。厳しい目で競争意識を植え付けた。もっとも、細川にとっては千載一遇のチャンス。MVPに選ばれたキャンプ第1クールのフリー打撃では、開幕投手の経験もある
三嶋一輝から左越えへ特大アーチを放ってみせた。
「実戦に入っても対応できるように。アピールしないといけない立場なので……」
日本代表でも不足気味な右の長距離砲。一気に大ブレークの気配だ。
写真=大賀章好