
収穫と課題を得た今春キャンプ。パンチ力は十分にあるだけに飛躍が期待される
この春、未完の大器からの脱却を図ろうとしているのが、プロ3年目を迎える
杉本裕太郎だ。
今春キャンプの初実戦である2月11日の紅白戦(SOKKENスタジアム)では白組の『四番・右翼』で先発出場。4回に左翼へ先制ソロを放った。ここまでプロ2年間で通算1本塁打。27歳を迎える今季に向け「一軍に定着して2ケタはホームランを打ちたい」と力強く意気込む。
身長190センチ、体重94キロの恵まれた体格が示すように、パワーはチームでも群を抜く。アーチをかけた紅白戦は宮内義彦オーナーが視察と、キャンプでのアピールも好調。
福良淳一監督も「いい一発だった。成長している」と称賛したが、2月18日の紅白戦でサインを見落として二軍降格。指揮官は「話にならない。チームプレーなわけですから」としながら、打撃に関して「あとは確率を上げていくこと。あれだけの力があるわけだから」とも。
杉本自身も、打撃の確実性が飛躍へのカギとなることを自覚している。昨年末のオフに神戸市内で合同トレを行った
イチロー(前マーリンズ)を動画撮影して参考にし、打撃フォームのタイミングの取り方を改善した。
今春キャンプでは臨時コーチを務めた阪急OBの
福本豊氏の指導を受け、打撃力向上を図る。「ゆったりとタイミングを取るように意識しています。まだばらつきがあって(手応えは)半々ですね。福本さんにはシンプルに考えて振ることを教わりました」。球史に残る名選手たちから学び、ブレークへの糸口をつかもうと必死だ。
写真=佐藤真一