
制球力を生かした投球で勝負する
ヤクルト期待の新戦力は、ドラフト2位・
大下佑馬だ。
広島・崇徳高から亜大に進学して、三菱重工広島へ。同級生には、広島・薮田、
DeNA・山崎康らがいる。持ち味は制球力だ。社会人野球を始めてから、日々のトレーニングで球速は3キロアップし、最速150キロに。それでも、カーブやスライダーなど5種類の変化球を巧みに操る投球が武器となる。
小川監督も「ゲームを作る能力に特長がある」と評価していた。1月の新人合同自主トレでは、身体能力の高さを披露。3キロ走では2度トップに輝き、1キロのインターバル走では常に上位をキープし、「まだ序の口です」と余裕の表情を見せた。そんな右腕に期待されるのは、もちろん先発ローテーション入りである。
「先発として期待していると言ってもらった以上、しっかりと準備していきたい」と大下。昨季、チームは球団ワースト記録の96敗を喫した。春季キャンプでは、山田哲が好調ぶりをアピールし、メジャー・リーグで活躍した青木が、7年ぶりに古巣へ復帰。打線に厚みが増している。
だからこそ、上位進出のカギは投手陣だ。エース・小川と2年目右腕・星は右ヒジの疲労骨折から回復途中。ベテラン石川も今年は38歳のシーズンを迎え、大下ら若手に対する期待度は高い。小川監督も指名直後に「ハードルを上げ過ぎないようにしたいけど、開幕ローテーションは大前提」と早々に太鼓判を押す逸材なだけに、その切符をつかみたい。
写真=内田孝治