
開幕に向けて状態を上げている松坂
チーム、いや球界で最も注目を集める新戦力と言っていいだろう。昨季限りで
ソフトバンクを退団し、今年1月に
中日にテスト入団した
松坂大輔だ。プロ20年目で縁あってドラゴンズブルーのユニフォームに袖を通す37歳は、「ここに来たら先を見る余裕はない。1年1年が最後のつもりでやっていくことになると思う」と決意は固い。
新天地にはすぐに溶け込んだ。1月下旬の合同自主トレであいさつすると、「どちらかというと、後輩になめられやすいタイプ」と話していたことを知ってか、
大野雄大から「ダイスケ!」といじられた。キャンプでは笑みを浮かべながら練習に励んだ。
表情が明るいのは、右肩の不安もないからだろう。2015年に手術した影響でソフトバンク時代の3年間は1試合しか登板できなかった。中日でのキャンプでは球数を投げ込んでフォームを固めたスタイルから、少ない球数でブルペン入りする回数を多くする新しい取り組みで投球練習。首脳陣から調整を一任されている右腕は「予想している範囲の中で張りが出ているのはいいこと。不安になることはない」と充実感をにじませる。
第4クールの2月21日には初めてフリー打撃に登板した。
福田永将と
京田陽太を相手に計45球を投げて安打性は5本。それぞれに柵越えを許したが、京田から2球連続で空振りを奪うなど上々の内容だった。3月4日の
楽天戦(ナゴヤドーム)に先発してオープン戦初登板。2回に
アマダーに2ランを許したが、初回は三者凡退に抑え2回2失点とまずまずだった。
「目標に持ってやっていきたい」と目指すは開幕先発ローテ入りだ。
写真=BBM