
貴重なリリーフ左腕である永野にはチャンスが訪れるはず
おっとりとした言動に、むしろ大物の予感が漂う。ホンダからドラフト6位で入った
永野将司は、最速154キロを誇る豪腕左腕。しかしその売り文句とは裏腹に、普段はいたって穏やかな雰囲気を醸し出す。
2月22日に行われた
中日との練習試合(北谷)。試合前にホンダの先輩にあいさつしようと相手ベンチ周辺でキョロキョロ。永野の担当スカウトだった高橋薫広報が慌てて「ズカズカ入るもんじゃない!」と注意しても、「大丈夫でした」とニコリ。これには高橋広報も苦笑いするしかなかった。
そんな強心臓ぶりで紅白戦、練習試合と評価を上げていき、3月6日には
巨人戦(ZOZOマリン)で初のオープン戦登板のチャンスをつかんだ。5対1とリードした8回にマウンドへ。しかし先頭の
陽岱鋼、さらに
岡本和真に連続被弾。四球、右前打、死球と続けてしまい、あえなく降板となった。
それでも、何枚いてもうれしい左腕の、さらに速球派とくれば期待は高い。同14日の
オリックス戦(ZOZOマリン)で追試の機会をもらった。しかし二死から
宗佑磨に左翼ポール際へ放り込まれ、続く打者にストレートの四球と信頼回復に失敗。ただ、巨人戦で140キロ強しか出ず、「球が指にかかった感じがないし、映像を見ても躍動感がない」と悩んでいた球速は145キロまで戻った。
開幕即一軍デビューとはいかないかも知れないが、ZOZOマリンスタジアムのマウンドに立つ日は遠くないだろう。
写真=内田孝治