
打撃で進境を示した西巻
周囲の予測を良いほうに大きく裏切った。ドラフト6位ルーキー・
西巻賢二は、オープン戦終盤まで一軍で奮闘を見せた。藤田の故障により一軍キャンプに抜てきされた18歳が、自らの力で首脳陣の評価を書き換えた。
堅実な守備は一軍レベルでも、打撃は非力で時間がかかるというのが当初の評価だった。しかし、「高校のときは当てにいっちゃう部分があった」という反省から強いスイングを意識。久米島キャンプ中はフリー打撃から力強い打球を飛ばし、梨田監督も「シャープに振れていたし、器用さを持っている。バットに力が伝わるものを持っている」と評価を改めた。
実戦の中でも、しっかりと結果を残した。沖縄・金武に移動しての対外試合では、2月17日の韓国・サムスン戦で途中出場し左中間適時三塁打を含む2打数2安打2打点。オープン戦に入っても同24日の
広島戦(沖縄)で、オスカルから初打席初安打となる左前打を放った。さらに3月4日の
中日戦(ナゴヤドーム)では右中間三塁打。梨田監督も「いい打ち方をしている。全然崩れずに軸もぶれない。楽しみ」と期待の高まりを言葉にした。
右ヒジ手術で出遅れていた茂木が3月21日に一軍へ合流し、入れ替わりで二軍行きとなった。それでもシーズン開幕後、内野手に故障者が出たときには、指揮官の脳裏に「西巻」の2文字が浮かぶことは間違いない。
写真=榎本郁也