
鋼のようなボディーで「浜風に負けない」と鍛え続けた糸井は快足を飛ばしチームもけん引していく
13年ぶりのリーグ優勝に向けてキーマンの1人になる男が移籍2年目の
糸井嘉男だ。広い甲子園で四番に長打力のある
ロサリオが座るため、前後を固める人材がより重視される。
もともと3拍子そろった糸井だが、チーム構成を見た場合、最も期待されるのは「足」だろう。
現時点で通算266盗塁と大台に迫っている。その糸井がロサリオの前で出塁し、機動力を使えれば、チームの得点力は上昇するからだ。
1年前は春先から右ヒザ関節炎を発症し、何とか開幕に間に合わせた形だった。本人が「序盤は良かったが、途中で疲れたかなという感じだった」と言うように故障が響いた。
昨季はチームトップの17盗塁を決めた。しかし、7月に右ワキ腹痛で約1カ月の離脱を余儀なくされた。チームとしても糸井の空白期間がなければ、さらに
広島を追い詰めたに違いなかったはずだ。
ただ今シーズンは春先から順調な調整を続けてきた。それだけに開幕からスタートダッシュをかけたいところだ。
オープン戦終盤には臀部(でんぶ)に違和感を覚えたこともあるが早期復帰で周囲を安心させた。
鋼のようなボディーで「浜風に負けない」と鍛え続けた糸井に故障さえなければタイトル獲得も射程圏内に入ってくる。
金本監督も「打率、長打の両方求めたい」と大きな期待をかける。そこに糸井の足が加われば、チームの勢いは加速する。