
五番に座る打撃も好調だ
“打てる捕手”としての大成を期待され、5年目のシーズンを迎えた
森友哉。これまではチーム事情やケガもあり、捕手一本に専念できなかったが、ついに今年、初めて開幕から捕手として勝負を挑んでいる。
本人は「特に何も変わらないですよー」と微笑を浮かべるだけだが、周囲の選手やコーチ陣は、練習や試合に取り組むその姿勢一つひとつから、昨年までとの明らかな違いを感じ取っている。
最も近くで指導し続けている
秋元宏作バッテリーコーチもその一人だ。「今までも十分一生懸命にやっていたけど」と前置きした上で、さらに続けた。
「キャンプから今年は意気込みが違うと感じていました。練習1つを見ても、まったく手を抜くところがなかったし、本気で(捕手を)『やりたい』『やるんだ』という覚悟が伝わってきていた」
意気込みだけではない。オープン戦全16試合中8試合で先発マスクをかぶったが「ミスはあったけど、投手とも積極的に話をしていたし、配球もきちんと意図が見えることもたくさんあったので、『これなら使ってみたい』と思えた」と同コーチ。着実に成長をアピールした。
競争相手は10年近く正捕手に君臨し続ける
炭谷銀仁朗だが、それでも森には打撃という最高の武器がある。攻守を合わせたトータルの勝負で正妻の座を確保するだけだが、シーズンイン後は4月10日現在、9試合中、5試合で捕手としてスタメン。マスクをかぶらない日はDHとして出場を続けている。打順は五番で打率.300をマーク。チーム27年ぶりの開幕8連勝に貢献した。
「今まで『捕手でいく』と言っていて全然できてない。『今年できなかったら、もう捕手はできない』という気持ちでやりたい」
捕手・森の“本気”に大注目だ。
写真=BBM