
今季はなかなか白星に恵まれないが、調子は良好だ
今季初登板で存在感を示した。
辛島航は、開幕5戦目となる4月4日の
日本ハム戦(
楽天生命パーク)に先発。6回まで無失点の好投を見せた。7回二死一塁、球数が100球を超えたところで降板。その後、リリーフが打たれて7回途中5安打1失点という記録が残ったが、申し分のない今季初登板となった。
厳しい条件でも力を発揮した。2月下旬に左手のツメが割れるアクシデントもあり、調整が遅れた。オープン戦登板は2試合、それも計5イニングだけ。二軍戦で調整したが、登板前は「(オープン戦では)先発もしていない。こんなに投げないで開幕するのは初めて。(影響は)分からないです」。それでも、変化球を低めに集める本来の投球を披露した。
プロ10年目の27歳。今年1月に、ヤンキース・
田中将大、
則本昂大らとの自主トレに参加した。今年から参加した
藤平尚真にチェンジアップを伝授するなど、兄貴分としての役割もこなせるようになってきた。昨季は不規則な登板間隔にも対応。CSファイナルでも好投し「慣れてますよ、きっちり回ってきたわけじゃない」と胸を張った。
昨季同様、地方球場での登板も期待される。昨季、東京ドームを含む地方開催試合では6試合で5勝1敗、防御率2.20。今季は郡山、弘前、山形、東京ドームでの主催試合が組まれているが「そこに合わせてやっていこうと思います」と笑う。登板間隔もマウンドも不問の左腕が、今季もチームために、難しいゲームを請け負っていく。
写真=井沢雄一郎