
場面を問わずにマウンドに上がる中田
どんな場面でも対応する。カープひと筋10年目を迎えた
中田廉の真骨頂だ。強力リリーフ陣の一角として、昨シーズンは3年ぶりの50試合登板。競った試合での中盤、終盤を託される。リードを保つのはもちろん、負けていても流れを呼び込む。重要な役目を担っており、貢献度は高い。
開幕から2度とも、難しい状況だった。初登板は4月1日の
中日戦(マツダ
広島)。先発の
大瀬良大地が6回途中に両足をつって降板したため急きょ、白羽の矢が立った。
ビシエドに内野安打を許したが、後続を断って初ホールドをマークした。
そして3日の
ヤクルト戦(神宮)では、7回一死から
今村猛が頭部死球で危険球退場となり、緊急発進した。ここでも
坂口智隆、
広岡大志を打ち取りホールド。開幕4連勝の立役者の1人となった。
「急に出て行く中で、心の準備はなかなかできないですね。でも、そういう役割ができるのが僕。行く場面というのは分かっているので」。試合展開を見定めながら、ブルペンで肩を準備させる。頼りになる火消し役は、敬意を込めてチームメートから「ファイアマン」とも呼ばれている。
今年のテーマは、低めの変化球でゴロアウトを稼ぐこと。今春キャンプ、ナックルカーブの向上に時間を費やしたのも、そのためだ。
節目のシーズンを迎えた右腕は「ここまでいろんな経験ができた。ケガをしても残してくれた球団に感謝しています。カープの選手はみんな若いし、頼もしい。負けないように頑張りたい」と意気込んでいる。
写真=BBM