
4月19日のロッテ戦でプロ2勝目をマーク。掲げる目標「2ケタ勝利で新人王」へ、好スタートを切っている
鮮烈なデビューだった。開幕2戦目の3月31日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)でプロ初登板初先発したドラ1左腕の
田嶋大樹。初回に
川島慶三にソロを浴びたが、以降は立ち直り5回1安打1失点で勝ち星を手にした。「すごくうれしい。(立ち上がりは)力が入りすぎていたところがあって空回りしましたけど、落ち着いて投げられた」。昨季の日本一チームを抑え、快調に滑り出した。
躍動感あるフォームはすべて独学で築きあげてきた。「誰かを参考にしたことはない」と、著名な投手を手本にしたことはない。
だからこそ、自らで考えてプロ用のフォームにキャンプで変更した。固いマウンド、滑りやすいボールから、踏み込み方や握る力の入れ方などを微調整。新人離れした左腕に、
福良淳一監督も「修正能力がある。楽しみな選手」と目を細める。
早くも先発ローテーションの一角を担ったからこそ、壁も経験。プロ2試合目となる4月7日の
西武戦(メットライフ)は4回途中8安打6失点でKO。降板直後は「何とか粘りたかった」と反省を口に。「プロでの引き出しをしっかり増やしていきたい」と前を向き、糧とすると誓うと、4月19日のロッテ戦(ZOZOマリン)では、無走者でもセットポジションに変更。左足でためを作るフォームに変えると、7回を投げて2安打無四球で無失点の好投で2勝目を挙げた。
目標に掲げるのは「新人王と2ケタ勝利」と、きっぱり。「勝ちにこだわって、チームに貢献できる投球をしていきたい」。課題を糧に成長を続ける左腕が充実のスタートを切っている。
写真=神山陽平