
復帰までは約4カ月を要する見込みのサファテ。無理せず完全な状態での復帰を願う
チームが遠征先の札幌へと旅立った4月20日の福岡空港。D.サファテがチームを離れ、東京経由で一時帰国の途に就いた。右股関節の張りを訴え戦線離脱。アメリカで再検査を受けるためだ。
「いつもの帰国とはタイミングも気持ちも違う。どれぐらいかかるか分からないが、必ず今年中に戻って、チームの力になれるように」。そう語っていたサファテだが、現地時間26日に手術に踏み切り、今季中の復帰は厳しくなった。昨季、日本記録の54セーブを挙げ、レギュラーシーズンと日本シリーズのMVPに輝いた助っ人の長期離脱は、V2を狙う
ソフトバンクの大誤算となった。
開幕戦でセーブをマークし、今年も安泰と思われた守護神に異変が起こったのは4月7日の
楽天戦(楽天生命パーク)だった。この試合で右股関節に強い張りを感じながら、翌8日の同戦も登板。1イニングに35球を費やし、1失点と本来の姿ではなかった。故障個所が明らかになり、弱点を突かれるのを避けるため「花粉症」とカムフラージュしてマウンドに上がり続けた。だが、状態は上向かず、18日に出場選手登録を抹消された。
「若いメンバーが自分のピッチングができてケガさえしなければ、しっかり戦っていけると思う」。残る選手たちに託して機上の人となった。サファテだけでなく、主に8回を任されてきた
岩嵜翔も右ヒジの手術を受け、復帰は早くても後半戦となりそう。「勝利の方程式」の崩壊で日本一チームに暗雲が垂れ込めている。
写真=井沢雄一郎