
ここまで5試合に先発登板も、1勝にとどまる巨人のドラフト1位ルーキー・鍬原拓也
遅れてきたドラ1ルーキー・鍬原拓也は、プロの高いカベにぶつかった。
150キロを超える直球、落差のあるシンカーが武器の右腕は、中大からドラフト1位で入団。即戦力と期待されたが、右ヒジの状態不良の影響で春季キャンプを三軍スタートと出遅れ、5月31日の
日本ハム戦(東京ドーム)でようやくプロ初登板初先発を迎えた。
4者連続を含む7奪三振など大器の片鱗を見せるも、「いいボールを続けないと勝てないと思った。予想以上の緊張で、気持ちのコントロールができなかった」と5回3失点で黒星デビューとなった。
3度目の登板となった6月17日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で6回途中4失点と苦戦しながらも、念願のプロ初勝利。「9回二死まで自分が勝ち投手と知らなかった。6回表に勝ちこしてもらったので、その裏を投げ切らないと勝ち投手じゃないと思っていました。めっちゃ悔しくて……」と、緊張のあまり予想外の白星となった。
高橋由伸監督は「彼はこんなもんじゃないと思っている。もっと勝ってほしいし、それがチームの勝ちにつながる」と期待を寄せていたのだが……。
ところが、交流戦が明け、初めてのセ・リーグチームを相手にした登板となった同26日の
広島戦(マツダ広島)では、3回を投げ切ることができず、7失点で2敗目。四死球で走者を溜めるケースが目立った内容に「自分の実力不足です。進歩がない」と自らを責めた。7月3日の
DeNA戦(東京ドーム)では6回2失点とまずまずも、勝ち負けつかず。プロの壁は高いが、それを乗り越える時間は、たくさんある。
写真=BBM