
7月12日に開催されたフレッシュ球宴で優秀選手賞に輝いた周東
驚異のスピードを武器にする22歳が「育成の星」として大ブレークしそうな輝きを放っている。育成1年目の内野手、
周東佑京だ。衝撃を走らせたのは、4月14日のウエスタン・
オリックス戦(佐藤スタ)。同点に追いついた最終回、なおも二死一塁の場面。
釜元豪の放った左翼前へのポテンヒット(記録は二塁打)で、一走の周東は俊足を飛ばし2つのベースを蹴ると一気に本塁へと滑り込んだ。「二死とはいえ、あれで一塁から返ってくるんだからすごい。あの足は脅威」。逆転勝ちを演出した韋駄天ぶりに、
小川一夫二軍監督もうなった。
昨秋のドラフトで、東農大北海道オホーツクから育成2位で入団。チームは
千賀滉大、
石川柊太、
甲斐拓也ら育成出身選手が主力として活躍するなど「育成のホークス」の名を欲しいままにしているが、球団方針として長打力、強肩など「一芸」にひいでた選手を育成枠では指名している。周東の長所はもちろん50メートル5秒7の“超快足”だ。1年目の今季、7月19日時点で二軍でチームトップタイの14盗塁をマーク。育成ながらフレッシュ球宴にも出場し躍動した。
強打を誇るチームは、かつては
本多雄一が2年連続の盗塁王に輝くなどしたが、今季は7月19日時点の79試合でリーグ5位の47盗塁と機動力を前面には押し出せていない。それだけに周東の武器は大きな魅力だ。「大卒なので自分には時間がない」と、今季中の支配下入りに向けて鼻息荒い背番号「121」が、鷹のスピードスターとなる日も遠くないかもしれない。
写真=松田杏子