
やや苦しい状況の中継ぎ陣の中で、自分の投球をすることだけに集中し、チームのコマとしてマウンドに上がり続けている藤川球児
首位・
広島を追撃するのに欠かせないピースが藤川球児だ。優勝を知るベテランの存在感がチームをけん引する。
「これから後半になってくると、もっとしんどくなると思う。しっかりとやっていきたい」
前半戦を締めくくる
中日、
DeNA、広島との9連戦も、藤川の置かれた役割は継投のポイントとなった。
7月4日の中日戦(甲子園)では、同点に追いついた7回に登板し、1イニングを3人で片付けてホールドをモノにし、チームにリズムを作った。8回に勝ち越し、甲子園での連敗を6で止めたのも、藤川の好リリーフが導いたといえるゲームだった。
常に厳しい場面で投入される藤川だが「自分の投球を続ける」といって、チームのコマに撤している。開幕から6月終了まで、連投は2度にとどまったものの、勝ち負けの展開にかかわらず、リリーフとして結果を出してきた。
前回優勝した2005年シーズンは80試合に登板(7勝1敗1セーブ、防御率1.36)。フル回転した経験値は、今後の優勝争いにも生かされるだろう。
全盛期の火の玉ストレートまではいかないが、威力は健在。金本監督が「スピン量が増えている」というように頼れる存在だ。
ブルペンの台所は、
岩崎優が抹消、
マテオ、ドリスも安定しているとは言えない。困ったときの球児が、混戦の真っただ中にいるタテジマを押し上げる。
写真=BBM