
甲子園プロ1号も放った今宮は、終盤戦へ向け巻き返しを期す
毎年、夏の甲子園が近づくと、その表情はいつも以上に“野球小僧感”が強くなる。
「僕がはつらつとプレーして、一番はじけた場所」
高校球児の聖地をそう表現するのは、鷹の不動の遊撃手、
今宮健太だ。大分・明豊高時代は春夏合わせて3度出場。小柄な体に似つかわしくない高校通算62本塁打の強打に加え、投手としても最速154キロを記録するなど、甲子園から全国に名をとどろかせ、2010年ドラフト1位でプロの世界に飛び込んだ。
大きく成長させてもらった場所だ。3年時に春のセンバツで同学年の
菊池雄星(現
西武)擁する花巻東高と対戦し完封負け。「(菊池の)あの球を打たないと」と、センバツ以降の4カ月弱で実に30本塁打を量産し夏の甲子園に戻った。夏は準々決勝で花巻東高と対戦し、延長10回の死闘の末に6対7で惜敗。もちろん苦い思い出でもあるが「ここ(甲子園)に来ると自然とテンションが上がる」と、今年5月30日の
阪神との交流戦では、バックスクリーンへの甲子園一軍初アーチを含む猛打賞と大暴れした。
ただ今季は、夏が訪れてもチーム同様に苦しんでいる。初のシーズン打率3割を目標に掲げオープン戦でも好調さを見せたが、開幕から打率が2割前後に低迷。6月中旬からは右ヒジ関節炎の影響で約1カ月も戦線離脱した。一軍に再合流した7月15日には27歳の誕生日を迎えた。「前半戦はさんざんチームに迷惑を掛けた。新たな気持ちでやっていきたい」。真夏の暑さを背に、必ず巻き返す。
写真=BBM