
今季も調子がなかなか上がらず一軍、二軍を行ったり来たりの高山。日大三高時代のような猛打をもう一度、取り戻したい
かつて甲子園でもっとも輝いたのが
高山俊だった。第93回大会となった夏の甲子園で頂点に立った。日大三高で優勝の立役者。あれから7年、そのヒーローがもがいている。
明大では東京六大学でのリーグ最多安打を塗り替え、
阪神入りしたドラフト1位にとって、プロ3年目になった今シーズンは、ファームでプレーする機会が多くなっている。
片岡ヘッドコーチは「バッティングは非凡なものをもっている」という。しかし、開幕から一番・中堅に座ったが、2度の二軍行きを経験するなどカベにぶつかっている。
日大三高2年のセンバツで準優勝、3年春夏の3度の甲子園出場。3年夏は圧倒的な強さで10年ぶり2度目の全国制覇を果たした。
決勝の光星学院高(青森)戦は、3回に2試合連続となる先制の3ランをバックスクリーンに放ち、チームを11対0で優勝に導いた。
その甲子園を本拠地とする阪神では、高校時代と同じ背番号9を着けて、新人王を獲得するなど、主力に育っていくはずだった。
一軍で41試合出場(打率.183、1本塁打、14打点)にとどまっているが、本人が「自分のバッティングを心掛ける」というように、このままでは終われない。
中谷、
俊介らに、同じ左打ちの新外国人・ナバーロの加入で、外野の定位置争いはさらに激化しているが、自らの力で答えを出してきた甲子園での反抗に期待したい。
写真=BBM