
8月12日の阪神戦(横浜)では左中間の場外までかっ飛ばした
来日1年目の助っ人、ソトのバットが止まらない。8月16日の
中日戦(ナゴヤドーム)、6回に
松坂大輔からバックスクリーン横に21号ソロを放った。ナゴヤドームでは今季6本目と相性抜群。開幕直後の出遅れで出場67試合ながら、ハイペースでアーチを重ねている。
圧巻だったのが12日の阪神戦(横浜)だ。3回の第2打席に左翼スタンドに18号ソロをたたきこむと、6回には横浜スタジアムの左中間場外に推定距離140メートルの19号2ランを飛ばすなど4安打3打点と大暴れだった。
7月は打率.278で9本塁打、8月は13試合で打率.273、5本塁打と得点力に悩む
DeNA打線の中では頼りになる存在、「絶好調男」と言っていいだろう。
当初は外国人枠の問題もあり、ロペス、
ウィーランド、
パットンらレギュラークラスに次ぐ“第6の男”という立場だったが、実力でレギュラーの座を勝ち取り、苦しいチームをバットで救っている。外野、一塁、二塁と複数ポジションをこなすのもチームがソトの打撃に頼っている表れだろう。
6月には体調不良のため登録を抹消されたことが、自分のスタイルを見つめ直すいい機会となった。月間打率.354をマークした5月から、調子は徐々に下降線をたどっていた。日本人投手が投じる精度の高い外角への変化球にどう対処するのか。二軍でプレーする中で導き出したのが、逆方向への意識だった。6月末に一軍に合流すると、コンパクトなスイングから本塁打が量産され始めた。
「個人的には3割、20本をという意識はありますが……まずは数字よりも1打席1打席を大切にプレーしてチームに貢献したい」という開幕前の目標はすでにクリアしつつある。年俸3500万円の優良助っ人の来季の残留は間違いなさそうだ。
写真=大泉謙也