
8月22日の巨人戦は“鬼門”のハマスタで危なげなく9回を3人で締めくくり、25セーブ目をマーク
絶対的な存在だからこそ、期待も落胆も大きくなる。ルーキーイヤーから
DeNAの守護神を託されて4シーズン。試行錯誤を重ねながら、
山崎康晃は確かに前進している。
「まずはチームが勝てたこと。それがうれしいです」と喜びをかみしめたのは4月10日の巨人戦(東京ドーム)。1点差の9回を3人で片づけ、入団4年目では日本人最速となる通算100セーブを達成。3、4月は10試合で9セーブ(1敗)と順調に積み重ねていった。
6月を終えて28試合で16セーブ。昨年オフの契約更改で「彼を目標にしたい。自分が胴上げ投手になるというイメージを強く持ちたい」と
サファテ(
ソフトバンク)を追いかけたように、大きな乱れもなく勝ち試合のベンチに安心感を与えた。
ところが、後半戦初戦だった7月16日の
ヤクルト戦(横浜)で自己ワーストとなる5失点と炎上し、今季初めてセーブ機会に失敗した。さらに8月5日の
広島戦(横浜)でも、同点の延長10回に勝ち越し点を献上。ここまで14失点はすべて本拠地で喫しており、
ラミレス監督は「臨機応変に考えたい」と球場限定で配置転換の可能性を示唆した。
7、8月の13試合で10失点と苦しんでも、8月7日のヤクルト戦(神宮)から4試合連続セーブ。広島の
中崎翔太の29セーブに次ぐ25セーブを挙げ、初タイトルは十分な射程圏だ。4年連続20セーブも
佐々木主浩(1995~98年)に並ぶ球団記録。たゆまぬ努力がきっと、復権への道を切り開く。
写真=高塩 隆