
まさかの不調に陥ってしまった秋山。来季は復調しもう一度2ケタ勝利を目指す
先発ローテーションの柱になるべきだった
秋山拓巳が伸び悩んだ。最後までその座を守りながら、一軍の戦力に成り切ることはできなかった。
プロ9年目の不調については「ストレートが真ん中に集まってしまう。練習でできていたことがゲームになるとできなかった」という。
昨季は12勝(6敗)を挙げ、さらなる飛躍の年にするはずだったが、5勝(10敗)止まりで期待を裏切ってしまった。
メッセンジャーと並ぶエース候補として計算を立てた金本監督も「打者に踏み込まれているイメージが強い」と課題を挙げた。
もともと絶妙の制球力を誇る右腕だった。内外角のコーナーを投げ分けるテクニックが武器だったが、それが影を潜めた。
昨季は159回1/3で与四球は16個、与四球率0.90は抜群の数字だった。だが、今シーズンはプロ初の押し出し四球を許すなど精彩を欠いた。
先発ローテーションから外れた秋山は、ファームで調整を続けながら、次なる舞台に備えてきた。矢野二軍監督も「徐々にらしくなってきた」と復調を認める。
一軍登録を抹消されて以来、初の実戦となったのは10月2日のBCリーグ選抜戦(鳴尾浜)で、2回を3安打無失点に抑えた。
一軍は17年ぶりの最下位に落ち込んだが、最低2ケタ勝利を期待された右腕の低調ぶりは大きく響いた。
秋山の「次に向かっていけると思っている」という言葉を信じ、完全復調を待ちたい。