
キャプテンとしてチームを10年ぶりの優勝に導いた浅村栄斗
王者の主将として、100点満点のシーズンだった。
開幕前、「すべての数字でキャリアハイを目指す」を目標に掲げたが、全143試合に出場、175安打、打率.310、32本塁打、127打点の好成績。言葉どおり、安打、本塁打、打点でキャリア最高の数字を記録した。日本人選手では球団史上初の『3割、30本塁打、100打点』も達成し、2013年以来2度目となる打点王のタイトルにも輝いた。
「個人としては、満足いく成績でしたし、多少はチームも引っ張ってこられたと思う」
ペナントレースを振り返り、本人も納得の表情を見せた。
だが、開幕から一度も首位を譲ることなくシーズン制覇を果たしたにもかかわらず、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージで
ソフトバンクに惨敗し、日本シリーズ進出を逃した。
「こんなに悔しい思いは、ここ最近なかったです。Bクラスで終わる悔しさよりも、去年2位通過で、(CS)ファーストステージで負けた悔しさよりも、今年が一番悔しい。優勝しても、こんな気持ちになるなんて……」
昨季負け越した宿敵・ソフトバンクに勝ち越し、「今までにない強さがついてきている」と、チームの成長を実感しながら戦えていたにもかかわらず、大一番の短期決戦で、今度は経験値の差を痛感させられた。
「このチームで日本一になりたかった。それは、今後の課題です」
それでも、充実した1年だったことに変わりはない。ただ、今オフ、浅村はFA宣言を決断。
楽天、
オリックス、そしてソフトバンクら同リーグのチームが獲得に動く。もちろん、残留の可能性もある。果たして来季、頼もしき主将はどのチームのユニフォームを着ているのだろうか。
写真=BBM