
一時二軍降格もあったものの、終盤戦は先発出場の数を増やした巨人の田中俊太
若返りが進んだ新世代巨人を象徴する1人が、田中俊太だ。
日立製作所からドラフト5位で入団した即戦力の二塁手は、プロの舞台でも持ち味を発揮した。
2月の春季キャンプで高い評価を受け、オープン戦で満塁本塁打を放つなど猛アピール。
高橋由伸前監督が「全体的にまとまっているし、形も良い。打っている感じも良い」と認めて一軍の戦力に加えた。レギュラーシーズン開幕後、一時は二軍も味わったが、99試合に出場して打率.241、2本塁打、12打点、6盗塁。進塁打やファウルで相手投手の球数を稼ぐなど数字に現れない貢献も多かった。「与えられた役割を果たせば、いい流れになると思ってプレーしています」と、新人離れした落ち着きぶりで評価を上げた。
二塁の定位置を手にしつつあった
吉川尚輝が左手を骨折して離脱後は、二塁のレギュラー格、最終盤は二番打者としても定着。3位で進んだクライマックス・シリーズでも起用され、
ヤクルトとのファーストステージででは打率.429、2試合連続で盗塁も決めた。
広島とのファイナルステージでは、兄である広島の
田中広輔とのセ・リーグ史上初の兄弟同時スタメンを実現。3連敗で敗退を味わったが、「試合に使ってもらったことに感謝しています」と充実した1年を振り返った。
来季は故障から復帰する吉川尚ら若手内野手との定位置争いが待っている。「いいところをどんどん出していきたい」と田中俊。今季の経験を糧に、真のレギュラーの座を狙う。
写真=BBM