
フルスイングが魅力
まさに飛躍のシーズンとなった。プロ2年目の
田中和基は、一気に「侍」まで駆け上がった。今季は開幕一軍をつかんだものの、わずか4試合の出場で登録抹消。それでも5月下旬に再昇格すると、結果で定位置をつかみ取った。打率.265、18本塁打、45打点、21盗塁。打率.111、1本塁打、2打点に終わった1年目とは、別人のような数字を並べた。
思い切った取り組みがブレークにつながった。二軍でも結果が出なかった5月、「やってみい、
大谷翔平打法や」という
池山隆寛二軍監督(当時)の軽い言葉に背中を押され、取り組んだのがノーステップ打法。「今年はいい部分も見せられたと思います。その一つがホームラン」と左右両打席から積み上げた数字に納得の表情を見せた。
年俸1300万円からの大幅増は間違いない。参考になりそうなのは、1年目のオフに1200万円から2000万円増の3200万円で更改した
茂木栄五郎だ。打率.278、7本塁打、40打点。不慣れな遊撃を守ったことも評価されたが、本塁打数で上回っていることに加え、新人王の可能性もあり、3500万円前後が攻防ラインの1つの目安になりそうだ(金額はすべて推定)。
オフには日米野球の侍ジャパンにも選出され、初めて代表のユニフォームにも袖を通した。それでも「難しいこともありますけど、
楽天のセンターは田中が守っている、それを当たり前と感じてもらえるように頑張ります」と足元を見つめる24歳。気持ちよくサインし、来季へとスタートを切る。
写真=BBM