
今季の悔しさをバネに、来季は持ち味である力のあるストレートを取り戻したい
前を向き、突き進むしかない。置かれた状況を十分に理解し、
今永昇太は厳しい表情を崩さなかった。「プロ野球選手として、ずっと恥ずかしい日々を過ごしてしまった」。11月18日に臨んだ契約交渉では1700万円ダウンの年俸6700万円でサイン(金額は推定)。言い訳する材料はなかった。
ルーキーイヤーの一昨年から8勝→11勝とステップアップし、ローテの軸として期待されたプロ3年目。左肩痛で出遅れたことが最後まで響いた。開幕二軍。一軍初登板は4月24日の
広島戦(横浜)にまでズレ込んだ。自身3連敗スタート。初勝利は6月10日の
日本ハム戦(横浜)だった。わずか4勝に終わるだけでなく、セ・リーグワーストとなる11敗。防御率6.80と目を覆うような低迷ぶりだった。
リリースポイントが安定せず、登板ごとにフォームが違うような悪循環。
ラミレス監督も必死だった。シーズン終盤の7試合はすべて救援で起用。配置転換による再生法も、劇的な効果をもたらすことはなかった。先発4本柱を担うはずだった
石田健大、
濱口遥大、
ウィーランドで計15勝(昨年は37勝)は大誤算。
失った信頼を取り戻すため、早くも来季への動きを見せている。契約更改から一夜明けた19日には、
三上朋也らと豪州で行われるウイン
ターリーグへ出発した。「もう1度、自信を持って直球を投げられるように……。
人間的にも大きくなりたい」。現地では自炊に加え、レンタカーも運転。心身ともに鍛え上げ、胸を張って表舞台へ戻ってくる。
写真=佐藤真一