
2019年は指導者としての役割も大きくなる福浦
通算2000安打を達成した
福浦和也は12月3日、契約更改交渉の席である決意を固めた。球団からは来季、二軍打撃コーチ兼任を任されたが、軸足は指導者に置いてもらえないかと依頼されたのだ。ただ、本人には迷いや葛藤はなかった。若手育成への使命感が、心の底から湧き上がってきたからだ。
「若手を育てて、1人でも多く一軍に送り出したい。今季の晴哉(
井上晴哉)や奨吾(
中村奨吾)のような選手が3、4人増えれば、チームは強くなると思います」
今季もスタートは一軍打撃コーチ兼任だった。だが来季、決定的に違うのはその割合だ。今季は「選手が9割でコーチは1割くらい」と話していた。
これまでとは逆転する。選手ロッカーからコーチ室へ引っ越し、免除されていたコーチ会議にも出席する。「(1月の)新人合同自主トレも見に行くと思います」と、自らのトレーニングを進めながらの本格的な「二刀流」となる。
ただ、「選手」と名がつく以上は手を抜くことはできない。このオフもほぼ毎日、自主トレは欠かしていない。シーズン終盤に悩まされた首痛も回復。「今は空振りをしても痛みが出ない」と不安は消えている。
「マリンでホームランを打ちたいよね」。本拠地では、まだQVCマリンと呼ばれていた2011年以来、本塁打がない43歳はそう笑った。現役としてのプライドは持ち続けたまま、新たな挑戦のシーズンへ向かうことになる。
写真=BBM