
着々と戦力を整えている楽天
屈辱のシーズンからの巻き返しを狙っている。監督代行から、正式に新監督に就任した
平石洋介監督は「本当に優勝を狙いにいく。まずは闘う集団になること」と来季を見据えた。松坂世代、38歳の青年監督。球団初の生え抜き監督でもある指揮官は、厳しく平等に、選手たちを見つめていく。
オフは石井GMの積極姿勢もあり、戦力を大きく上積みした。最大の補強は
西武からFAで獲得した
浅村栄斗。平石監督が「チームで一番足りないところだったので、本当にうれしい」と語るように、主砲不在だったチームに大きな柱が加わった。外国人では長距離砲の
ブラッシュに、リリーフの
ブセニッツが新加入。
ウィーラー、
ハーマン、
宋家豪も残留した。さらに
広島からトレードで
福井優也を獲得。来季を戦う準備はほぼ整った。
現有戦力の上積みにも余念はない。秋は投手陣と野手を分けて、分離キャンプを実施。平石監督は野手の倉敷キャンプに参加し「メーンもサブも全部野手が使える。バッティングはしっかり数をこなすことができた」。もともと、
岸孝之、
則本昂大を中心に投手陣のレベルは高い。打球速度のアップを狙った打線強化が実れば、大きなプラスだ。
ドラフト1位の辰巳涼介、2位の
太田光ら即戦力の期待がかかる新人も多い。ポジション争いが激化することは間違いないが「レギュラーが誰とか、ローテーションが誰とか、僕の中では本当に白紙」と語った平石監督。若手、ベテランにかかわらず、ポジションを奪いにくる選手に期待し、闘う集団をつくっていく。
写真=BBM