高い潜在能力に期待がかけられている。鍬原拓也は、今年こそドラフト1位の本領を発揮できるか。
中大から
巨人入りした1年目の昨季は、すべて先発で6試合に登板し1勝2敗、防御率6.83。「1年間、毎日野球をやるのは初めてで、不意なケガをしてしまった。自分の力をなかなか発揮できなかった」と悔やしいシーズンとなった。
春季キャンプを前に上半身のコンディション不良で出遅れた。6月14日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で初勝利を挙げたものの、8月には左ワキ腹痛を発症して別メニュー調整となるなど、プロの壁にぶち当たった。
それでもボールの力強さには魅力がある。昨秋キャンプでは
原辰徳新監督が最速152キロ右腕に熱視線を送り、「春は挑戦状を持った状態で戦える一人でしょう。後ろになるのかどうなるのかというのは、われわれがそれは決める。どういうところでも挑戦状を持った状態で来られるような気がします」と、高い期待を口にした。今季はそのボールの威力を生かすために中継ぎで起用される構想も練られている。
オフは昨年12月中旬からチーム
メイトの
田口麗斗らとハワイ合同自主トレを行っている。同学年ながらプロ6年目で実績のある田口を「意識します。お互いに勉強になる、そういう意味でも自主トレに行こうと思いました」と話し、「フォームの安定」と「制球力の向上」をテーマに、常夏の島で進化を遂げる。「1年間一軍」を目標に2年目の飛躍を狙う。
写真=BBM