
リハビリの途上だが希望は失っていない※写真はヤクルト時代
今、歩もうとしている道の先に、どんな未来が待っているかは分からない。それでも、
由規は懸命に前へ進もうとしている。どんな険しい道であろうと覚悟の上だ。右肩痛からの再起を目指す右腕には、揺るがぬ決意がある。
目指すのは12勝を挙げた2010年以来、9年ぶり2度目の2ケタ勝利だ。具体的な目標は口にしなかったが「自分の中では『そこまではいける』という思いでリハビリしている」と明かした。
宣言どおりの活躍を果たせば、球団史上初のタイトル獲得も夢ではない。カムバック賞だ。NPB関係者によると、同賞に明確な基準はない。成績が伴わなかった期間の長さに加え、過去の実績や年齢も加味される。18年は右肩痛から復活を果たした
中日・
松坂大輔が受賞した。
由規はヤクルト時代の10年に12勝も、11年に右肩を負傷。13年には手術を受け、1年を棒に振った。昨季は6月に再び右肩を負傷し、戦力外に。育成選手として
楽天に入団した。16年以来、3年ぶりに育成選手として春季キャンプを迎える右腕が復活すれば、カムバック賞の候補となることは間違いないだろう。
本人が明確に同タイトルを意識することはない。まずは支配下登録。肩への負担を軽減する新フォームの習得にも取り組む右腕は「とにかく試合で投げたい。目の前のことを一つひとつ積み重ねていきたいです」と意気込みを語った。仙台育英高までを過ごした地元で、奇跡の復活を狙う。
写真=BBM