
優勝への思いは人一倍のであるチーム最年長右腕・岸田。今春キャンプでも開幕、そして頂点を目指して調整を続けている
今年5月で38歳となる
岸田護には、達成したい目標がある。ここまでプロ13年間で優勝を未経験の右腕。「まだ優勝を経験していない。このチームで優勝したい」。ベテランとしての意地を見せ、リーグ制覇の原動力となるため腕を振る覚悟だ。
昨季はシーズン途中から一軍に昇格。中継ぎとして17試合に登板し、防御率2.35をマークした。ベテランがなせる緩急をつけた巧みな投球術を披露し、福良前監督も「ほかの投手も見て勉強してくれれば」と話すように、若手中心の投手陣に取っては生きた教材でもある。
気さくな人柄で、年齢、キャリア関係なく壁を作らないことから、若い投手陣からの人望も厚い。
20歳の右腕・
榊原翼は育成時代から親身になってもらったことから「尊敬しています。岸田さんのような投手になりたい」と目を輝かせる。
オフには金子弌大、
西勇輝が移籍、
佐藤達也が引退とベテラン、主力がチームを去った。今季、ベテランとして岸田の存在はより大きいものとなるはずだ。
オフの契約更改の場では「しっかり練習をして結果を残すだけ」と言葉に力を込めた。個人の成績に強くこだわりながら、若手に負けじと勝利に貢献していく。
チームも1996年を最後に優勝から遠ざかり、現在は4年連続Bクラスと低迷。チームにとっても岸田にとっても優勝は悲願だ。まだ見ぬ頂へ――。19年シーズンを全力で戦い抜く。
写真=佐藤真一