
高橋の胸には、竜を模したキャプテンマークが輝いている
2016年の
平田良介以来となるドラゴンズのキャプテン。
与田剛監督から「引っ張っていってくれ」と指名されたのは、今季8年目を迎える
高橋周平だった。ドラフト1位、鳴り物入りで入団し、昨年初めて規定打席に到達。ようやく才能開花の兆しを見せた男に、大役が託された。
「チームが盛り上がるようにやっていきたい。元気がないと思ったら、僕が先頭に立って、元気が出るようにしたい」。高橋はまだ25歳。チームには年長者が多い。「引っ張っていく立場ではない」と考え、明るい雰囲気づくりに注力する。そのための手段が声だ。「難しいことはできない。声を出すのが一番だと思う」と言う。
「チームのためにそういう(主将)立場をいただいた以上は、第一にチームを考えてやりたい。やりたいというより、やらないといけないと思っている」
口から発せられる言葉には、すでにリーダーとしての自覚十分。ただ責任を伴う立場だからこそ、グラウンドでの結果も、より求められる。レギュラーを奪取した昨年も、打率、本塁打などの数字には決して満足していない。黄金ルーキー・
根尾昂が加入したこともあり、ポジション争いはさらに激しくなった。「とにかく僕は打つこと」。バットで勝負する決意だ。
「不安を抱えてやってはいない。余裕がないと、自分のことだけになってしまう。少しでも周りが見えるようにしたい」。キャンプ中も目立つ高橋の声。若き主将は、存在感を発揮している。
写真=榎本郁也