
先発ローテのキーマンになりそうな有原
新たな変化球として、ツーシームの習得に再び取り組み始めた。米アリゾナキャンプのブルペンでは投球を受けた鶴岡から「いいボールだね」と絶賛されるほどキレ味は鋭い。真っすぐの軌道から右打者の内角をキュッとえぐる。「試合で投げられるようにしたい」と控えめに話すが、マスターすれば
有原航平の大きな武器になるに違いない。
2年目まではやや沈むツーシームはすでに投げていたが、3年目以降は封印。ここ2年はスライダーやカットボールといった左打者の内角を攻められるレベルの高い変化球を操るが、右打者には外一辺倒の組み立てとなり、右対右で打たれるケースが多かった。ツーシームがあれば右打者は簡単に踏み込めなくなり、抑えられる確率はグッと上がるはずだ。
キャンプは体調不良で第1クールはホテルで静養したが、大事には至らず。昨季は右肩痛を発症して開幕から大きく出遅れた。1年前と比べればアリゾナで投げ込みを行えているだけで極めて順調。「変わらずいい状態がキープできている。もっともっと状態を上げていきたい」とオフからキャンプを通しての調整ペースにも手応えはある。
昨季は不安定なピッチングが続き、一時期は守護神も経験するなど勉強を重ねる日々だった。投手としてのポテンシャル、馬力、スケールはチームでもNo.1。シーズンを通して先発ローテを守れれば結果は付いてくる。今季こそ覚醒間近の力を一気に爆発させたい。
写真=BBM