
加藤は激しい外野のレギュラー争いに挑んでいる
加藤翔平が背水の7年目に燃えている。2月16日、
楽天との練習試合(金武)に「二番・左翼」でスタメン出場すると、初回の一死二塁で右中間二塁打、3回無死では右越えソロと楽天・藤平から2本の長打をマーク。前日15日の韓国・斗山戦(具志川)から4打席連続での長打と好調の波を持続させた。
「左打席は福浦さん(
福浦和也、選手兼二軍撃コーチ)の打ち方を意識するようにしました。キャンプで最初は二軍だったのでフリー打撃で投げてもらったり、いい感じになってきていると思いますよ」
一番、変わったのは打撃フォームだ。弓を引くように構え、大きく上げた足を素早く下ろす。ボールをつかまえられる体勢を早めに整えることで、速球への対応力が上がった。
井口資仁監督は今季「攻撃的二番」を理想に掲げている。初回に「無死一塁」ができた場合、バントではなく、左打者が引っ張って「無死一、三塁」を作る狙いを持っているのだ。加藤は2月9日の台湾ラミゴ戦(石垣市)を皮切りに、多くの試合で「二番」を任せられている。
外野の定位置争いは
荻野貴司、
角中勝也の2人が一歩抜け出しており、昨季、定着し始めた
平沢大河や2年目の
菅野剛士、ドラフト1位・
藤原恭大といったライバルがひしめいている。誰もが認める身体能力がありながら、精神面のもろさを指摘され続けた背番号10が、与えられたチャンスをつかもうと死に物狂いで食らいついている。
写真=BBM