
グラウンドの中でも外でもチームを鼓舞する川島
オフに球団フロントから「ベンチ内でチームをよくまとめてくれた」と評価されたのは、今季14年目を迎えたベテラン
川島慶三だった。明るい性格、ノリの良さ。チームメートの打席の曲をこっそり変えておくようなイタズラ心だけでなく、場合によってはチームを代弁して首脳陣に直言することも辞さない。そうした硬軟織り交ぜた立ち居振る舞いが、ムードメーカーたるゆえんだ。
春季キャンプでは、ノックで大きな声を出して盛り上げつつ、ルーキー投手がサインプレーに戸惑っていると「アンサー(応答)は!?」と大きな声で指摘した。今年に限らず、こうしたチームプレーなど、共通理解が必要なことに妥協がない。兄貴分肌はタイミングを心掛けた声掛けと、優しさ、厳しさを併せ持つ。
昨季は対左投手のスタメンや、代打を中心に91試合に出場。
ヤクルトから2014年途中に移籍して以後、最多の数字だった。打率.268、3本塁打、16打点。バイプレーヤーの成績それ自体は特段、目立たないが、目に見えない貢献への評価も含め、球団は今季までの2年契約を結んでいる。
オフの契約更改の席では「ベンチの中を広く、ベンチの下(足元)もきれいにしてほしい。ベンチが広かったら僕も動きやすい。ベンチの主役なんで」と申し出た。スタメン、レギュラーが本望でも、それがすべてではない。ウイットの効いた要望にも、ベンチも含め、自らの求められる場所で生きる男の主張がにじんだ。
写真=湯浅芳昭