
4月2日の広島戦で、8回裏一死満塁で2点適時打の阿部
4年目にして初の開幕一軍切符。
阿部寿樹がようやくつかみとったが、さらなるサプライズがあった。3月29日の
DeNAとの開幕戦スタメンオーダーに「七番・二塁」でその名が記された。そして1打席目、
今永昇太から左前打を放ち、与田竜のチーム初安打を記録した。
持ち前の力強い打撃で、新体制となった昨年の秋季キャンプからアピールしてきた。春季キャンプ、オープン戦と一軍に居続け、そして生き残った。「開幕一軍に残って良かったという感じです。とにかく出せる力を出したい」。もちろんゴールではない。むしろシーズンで結果を出すことに視線は向いていた。
オープン戦は15試合に出場し、27打数7安打の打率.259。決して飛び抜けた数字ではないが、内容が良かった。そんな阿部を後押ししているのが、“筒香バット”だった。
昨年、同タイプを使用するチームメートの高橋のバットを握らせてもらうと、バランス、感触がフィットした。同じタイプのものをミズノ社に発注し、今春キャンプから使用。最近は軽めのバットを使う選手が多い中、920~930グラムと重いにもかかわらず、「ヘッド部分も太いし、グリップも太い」と気に入っている。
入団4年目。ただ、阿部は大学、社会人と歩んできただけに、4年目とはいっても、今年12月には節目の30歳を迎える。「毎年が勝負と思っています」。出場機会を得ようと外野にも挑戦した。懸命の努力が実を結びつつある。
写真=BBM