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リハビリは開始している柳田だが、まだ時間はかかりそうだ……
左ワキ腹を痛めた
中村晃の復帰が、自律神経失調症で見通せなくなった。
グラシアルがその穴を埋めてくれると思われたが、開幕直後に左ワキ腹痛で離脱。打線のキーマン2人の離脱は痛手には違いなかったが、誤算中の誤算と言えば、やはり
柳田悠岐の離脱をおいてほかにない。
不動の三番打者として上々の滑り出しを見せた。3月29日の開幕戦(
西武戦、ヤフオクドーム)で2盗塁、2戦目(同)で先発・
今井達也から逆転グランドスラム。3戦目(同)でも逆転アーチを架け、守備でも好プレー。「結果はたまたま」と言い続けても、充実ぶりは疑いようがなかった。
好調の二番・
今宮健太との並びで打線をけん引し、故障者続出の不安を杞憂にしたかに思われた。しかし、
ロッテにチーム7本塁打を浴びせた4月7日(ヤフオクドーム)。初回に口火を切る4号を放っていた柳田が、7回に三盗も決めた。どこかぎこちないスタートと、三塁ヘッドスライディングは、異変の表れだった。
「おかしいと思ったから、頭からいった。じゃないとしませんよ」
翌日、診断の結果は左ヒザ裏の肉離れ。全治3週間だった。
工藤公康監督も、もはや強がるではなく「痛いですよ。痛いなんてもんじゃないですけど」と率直に漏らした。チーム全体でカバーとは、そのほかの大部分がそろっていて言えること。欠けたピースの多い状況では、カバーするだけの布地がない。そもそも埋めようのない「柳田の穴」が、
ソフトバンクの土手っ腹に大きく口を開けた
写真=湯浅芳昭