
益田は再びロッテのクローザーとして輝きを放っている
昨季、ルーキーイヤー以来となる6年ぶりの70試合登板を果たした
益田直也はオフの契約更改の席上、常に胸の奥底にある思いを口にした。
「(投げたい回は)9回です。抑えれば一番気持ちいいし、打たれればガクッとくる。内(竜也)さんがいますけど負けないように頑張りたい」
セットアッパーとしての地位が確立され、何より頼りにされている益田にとっては、この時点では現実的とは言いがたい目標だった。ただ、昨季の守護神・内が右ヒジの手術、代役を期待されていた新外国人レイビンは右肩痛などで出遅れた。思ってもみない形でストッパーの大役が巡ってきたのだ。
「経験がないわけでもない。井口(資仁)監督のために一つでも白星を取りたい」。プロ2年目だった2013年には33セーブでセーブ王に輝くなど、昨季まで通算61セーブ。3月29日の開幕戦(
楽天戦、ZOZOマリン)で5対4の9回を抑え、今季初セーブを記録。4連勝した4月16日の
ソフトバンク戦(同)から20日の
日本ハム戦(同)の間にも3セーブと、ブランクを感じさせない安定感を見せている。
抑えにとって一番、大切なことを聞かれた背番号52は即答した。「絶対にマイナス思考にならないことです」。20日の試合ではお立ち台にも上がった。「前のカードで(日本ハムに)3連敗していたので、絶対に勝たないといけないと思っていた」と熱い言葉を吐いた。
重圧は何倍にもなるが、益田という男にはこの仕事が一番、合っているのかもしれない。
写真=BBM