6月8日のオリックス戦[横浜]では移籍後初のお立ち台に立った[中央]
どん底からはい上がり、また表舞台へ帰ってきた。「ベイスターズに恩返しがしたい。その気持ちでやっています」と力を込めたのは
中井大介だ。11年間在籍した
巨人から戦力外通告を受けたのは昨年オフのこと。野球ができなくなることも覚悟したから、手を差しのべてくれた
DeNAへの感謝は尽きない。
「どこのポジションでも、どんなプレーでも貢献したい」とはうそ偽りのない本心。2月のキャンプ、オープン戦と必死のアピールを続け「一つの目標にしていた」と開幕一軍の切符を勝ち取った。開幕5戦目となる4月3日の
ヤクルト戦(神宮)に「六番・二塁」で移籍後初先発。さらに同9日の
阪神戦(甲子園)では初本塁打を含む、3安打1打点と有言実行の働きを見せた。
巨人時代から内野の全ポジションを守り、外野もこなせる万能選手として重宝されてきた。それは新天地でも同じで、現役時代にも同僚としてプレーしている
ラミレス監督は「ユーティリティー性があって、使い勝手のいい選手」と評価。二塁、三塁、一塁と柔軟に対応し、ここまで31試合で打率.268の成績を残している。より集中力が求められる代打でも6打数2安打。すっかり欠かせない存在だ。
5月25日の阪神戦(横浜)では2回、無死満塁の先制機で併殺。翌26日に出場選手登録を抹消された。再昇格は6月5日。3日後の
西武戦(横浜)で3安打と気を吐き、初のお立ち台も経験した。再浮上を誓う12年目。まだまだ輝ける場所がある。
写真=大賀章好