
現在、リーグトップの盗塁数を誇る金子侑
昨年から「一番を打ちたい」と志願し、オフシーズンから徹底的に鍛錬を積んだ
金子侑司。一番にこだわるのは、「盗塁王を獲りたいからというのも理由の一つ」だ。打席が多く回ってくる分、出塁のチャンスも増えるだけに何としてもその座をつかみたかった。
そして実際、開幕から一番定着。打率こそ低かったが、四球などで出塁率を稼ぎ、塁に出ると己の武器の使い、早々から盗塁数トップに踊り出た。なかなか打撃の状態が上がらず、5月途中からは九番など下位に回っているが“足”は変わらず絶好調だ。
7月2日現在、2位のチームメート、
源田壮亮に6個差の26盗塁。数だけではない。「ただ、ひっちゃかめっちゃか走るのは違う。時には次の打者が打ちやすいように、自重すべきときもある」と本人が話すとおり、あくまでもチームが勝つための内容ある盗塁が今季は非常に多い。
戦況を見定め、チャンスと見れば一気にスタート。その判断と勇気、どちらの精度も磨かれていることは、昨年まで主に7割台だった成功率を.813まで上昇させていることを見ても明らかだ。
守備面でも、その俊足に助けられた投手は多い。春季キャンプ時のことだ。移籍してきたばかりの
内海哲也が対外試合を外から見つめ、金子侑の守備に「あの打球をアウトにしてくれるんや。めっちゃ助かるわ」と、守備範囲の広さを大絶賛していた。
攻守において、金子侑の華麗なる走力は圧倒的存在感を放っている。辻ライオンズにとって欠かせぬ武器なのは間違いない。
写真=BBM