
50メートル走5秒8の俊足を武器にチーム3位の8盗塁をマーク。足で存在感を示している
足のスペシャリストとして何度もチームを救った。昨年、野手に転向したプロ5年目の
佐野皓大が躍動している。
50メートル走5秒8の俊足と、走塁センスが光ったのが5月15日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)で、1点を追う3回だ。
先頭打者として相手先発の
涌井秀章から右前打で出塁すると、すぐさま二盗、
中川圭太の一ゴロで一死三塁の好機をつくった。前進守備を敷いた相手に対し、続く
福田周平の二塁手正面へのゴロで本塁突入。頭から滑り込んで間一髪同点のホームインを成功させた。
現役時代、盗塁王を4度獲得した
西村徳文監督も「前進守備でセーフになるのは佐野くらい。素晴らしい足をしている」と舌を巻いた。
“足枠”として開幕一軍をつかみ取り、期待以上の働きを見せている。7月1日時点で44試合に出場し、8盗塁で盗塁成功率は7割を記録。10度起用された代走では、3盗塁3得点と“切り札”として機能している。
4月24日の
ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では1点を追う9回に一塁代走で出場し、二盗後、後続の適時打で本塁を踏んだ。スタートがカギになる盗塁にも「自分のタイミングでいけているので苦手意識はありません」と自信をのぞかせる。
打率.216ながら、6月からは打撃好調でスタメン出場も増えた。二軍の試合に出場した後、一軍のナイターに駆けつける「親子試合」で、打席を重ねて打力が向上。育成契約も経験した22歳が、次はレギュラー奪取へと成長を続ける。
写真=BBM