リーグトップの20盗塁をきめている大島
ルーキーの
勝野昌慶がプロ初勝利を飾った5月24日の
ヤクルト戦(神宮)。もう一つの記録が、球団の歴史に刻まれた。史上76人目の通算200盗塁を決めたのは
大島洋平。
中日では
原田督三、
中利夫、
高木守道、
荒木雅博に次いで5人目の記録だった。
盗塁の成否はスタート、スピード、スライディングの三要素がカギを握るとされる。中でも大島が最重要視するのがスタート。「いいスタートを切るためには勇気、思い切り、意欲が必要だと思います」。200盗塁は失敗を恐れずに走り続けてきた結果でもある。
自慢の盗塁がある。2015年4月12日の
DeNA戦(ナゴヤドーム)。延長12回一死一塁、代打で登場した当時の
谷繁元信兼任監督が、バントを決められず追い込まれた。だが、そこで
林昌範―
黒羽根利規のバッテリーから二塁を盗み取った。進塁打で三進。ルナの安打でサヨナラのホームを踏んだ。「しびれる場面でしたから」。味方の失敗をカバーし、勝利を引き寄せた。
毎年、キャリアハイを目標に掲げてシーズンに臨む。最多盗塁は12年の32。今季は72試合を終了した時点で既に20。順調に数字を重ねている。200盗塁に達した日、大島はこう言った。
「いつか出ると思っていました。全然意識してなかったですけど一つの区切り。ただ、まだまだ上がありますから」。球団記録は荒木が持つ378。若手時代からその背中を追ってきた背番号8は、「少しでも長くやれるように努力していくだけ」と足元を見据えた。
写真=BBM