
気温も上がってきた6月から打撃も急上昇となった糸井
若手が目立つようになったチーム内でも
糸井嘉男の存在感は際立っている。糸井自身が「勝ちたい一心でいる」というように勝利に対する執念は人一倍だ。
突然、黄色のテーピングを腕にしたかと思えば、取材陣をけむに巻くようなコメントで笑わせる。個性あふれるベテランのパフォーマンスは、夏場に差し掛かったバットにも表れている。パ・リーグを知り尽くす交流戦では打率.368と打ちまくった。6月19日の
楽天戦(甲子園)で今季初4安打を放つと、21日
西武戦(同)でも4本のヒットを固め打ちした。交流戦前は打率.283だったが、終了時点では.305まで跳ね上がった。セ・リーグとの対戦が再開するにあたって糸井は「いいゲームを増やしたい」と意気込んでいる。
ちょうど1年前には右足腓骨骨折に見舞われたが、球宴出場を果たすなど鉄人ぶりを見せた。7月は低打率だったが、8月の月間打率は.387に上昇。夏男を地でいく働きだった。
今年の糸井に矢野監督は「いいところで打ってくれる。ヨシオには長打も期待したい」と勝負強さを求める。
阪神で4年契約の3年目。同じベテラン福留を故障で欠いている状況で糸井の一打で勝利に導きたい。糸井は「チームの雰囲気もいいので乗っていきたい」と球宴前のひと踏ん張りでひと暴れを目指していく。