
後半戦の一軍デビューも夢ではない
黄金ルーキーのバットから、安定して快音が奏でられ始めた。3~5月は、ウエスタン・リーグでいずれも月間打率は1割台。6月は2割に達し、そして7月は.263と上げてきている。
根尾昂が秘めたる力を徐々に発揮し始めた。
そうなると当然、期待されるのが待望の一軍デビュー。そのときも刻一刻と近づいてきているようだ。その証拠に球宴休みだった7月13日、ナゴヤドームで行われた一軍練習に1日限定でお呼びがかかった。
与田剛監督をはじめ、首脳陣が今の根尾の状態をチェックするのが目的だった。
3月中旬のオープン戦に2試合出場して以来となる一軍の空気。最初は少しばかり緊張感を漂わせたが、フリー打撃では鋭いスイングを披露。遊撃の守備でも軽快に動き、「しっかり動けたかな」と充実の表情を浮かべた。
「体もひと回り大きくなった。練習でも強い打球が打てるようになっている」と与田監督も成長の跡をしっかり見て取った。そして、今季中の一軍昇格について「十分にある。根尾もそこを目指してほしい」と期待の言葉をつむいだ。
本職のショートには、
京田陽太という分厚い壁が存在する。突破するのは簡単ではない。となれば、まずは代打での起用が現実的か。そうなると、打撃のさらなる向上は欠かせない。「(同期の)石橋(
石橋康太)がデビューして良い結果を出し、刺激を受けることはある。しっかり課題を克服したい」。一軍切符は、あと少しで手が届くところまできている。
写真=桜井ひとし